強くなければ・・・

BSで「さらば愛しき女よ」Farewell, My Lovely をやっている。
言うまでも無くハードボイルドの巨匠レイモンドチャンドラーの小説の映画化。
あすは「大いなる眠り」The Big Sleep が放映予定.

ロバート・ミッチャムが探偵フィリップ・マーロウに扮したシリーズ
個人的にはその後作られたロス・マクドナルドの「動く標的」のポールニューマン
の方が印象が強い、寝起きの顔を鏡に映し、疲れた中年男が映っていて、
コーヒーが切れているのでゴミ箱から捨てたコーヒーフィルターを拾って
もう一度コーヒーを入れるシーンが忘れられない。

とはいえ、チャンドラーでは「ＰｌａｙＢａｃｋ」の有名な台詞
「あなたのようにしっかりした男がどうしてそんなにやさしくなれるの？」と、聞かれて
「しっかりしていなかったら、生きていられない。やさしくなれなかったら、生きている資格がない」
"If I wasn't hard, I wouldn't be alive. If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive."
が長い間、自分の行動を呪縛してきた。
最近やっとこの騎士道フェミニズムが必ずしも相手を尊重した事になるとは限らないと
考える事ができるようになり呪縛から少し自由になれた気がしている。
それともう一つ「長いお別れ」The Long Good byeのバーのシーンで出てくる
カクテル「ギムレット」、”ギムレットには早すぎる”の台詞と共に覚えた酒は
その後の自分の酒人生を決定づけてしまったような気がする。
それにつけても
キリキリに冷したグラスを曇らせた「ウォッカギムレット」
酒場での最後の一杯にふさわしい！